客数減少のメカニズム
コンサルティング活動の中で最も多い相談内容は売上の減少に関しての相談です。(その2)
クライアントの「困った」を解決する事がコンサルタントとしての最も重要な仕事です。
前回は競合店の出店により流出した顧客流出対策をお話ししました。
今回は、内部的要因による顧客流出対策についてお話しします。
売上の減少はほとんどが客数の減少によるところが多いのですが、客数がじわじわ減少している場合
内部的な要因が多いのです。
買上率の減少は客数減少の兆候です。
買上率とは総買上点数を顧客数で割った値です。
言い換えれば一人の顧客が購入した点数の事です。
カフェでコーヒーとクロワッサンを購入したら2点です。
客数減少の兆候として先ずは買上げ点数が減少します。
次に商品単価が減少し、結果客単価が減少し、客数の減少により売上減少となります。
客単価=商品単価×買上率(顧客一人当たりが購入する点数)
店舗の魅力度が減少し顧客に当てにされ無くなる結果です。
売上減少の多くはこのケースです。
主な原因としては商品やサービス自体(品質、品揃えの低下)、 価格(競合店と比べ著しく高い)、サービス(付帯サービス、接客方法や店員の対応)、DMやチラシ、イベントなどの販促低下等が挙げられます。
項目毎に整理し自社のレベルを競合店と比較しチェックする必要が有ります。
特に商品やサービス自体については部門やサービスの種類ごとに項目を整理し対応することが望まれます。
話題商品や売れ筋商品が無い、もしくは常に欠品している場合は、買上率が低下します。
衝動買いを誘うPOPが無い、関連販売陳列が無い、手に取りにくい商品陳列、サンプル陳列が無い場合も買上率低下の原因となります。
買上率を向上させる効果的な方法の一つは顧客の関連購入を意識した陳列、売り方を心掛ける事です。
(ファミレスなどでドリンクバーはよろしいですか?と聞かれますよね。アレです。)
食料品で有れば「鍋コーナー」で鍋に必要な食材を陳列、
旅行用品で有れば旅行かばん売場に履き易い靴を陳列し関連購入を促進するのです。
欠品を皆無にすることは到底不可能ですが特に注意する商品を抽出しその商品についてだけでも欠品を無くす事が重要です。
買上率が低下すると値引き販売や安売りにより商品単価が低下します。
確かに価格の安さは大きな魅力の一つですが一方で利益を圧迫します。価格競争に勝てるのは資本力のある大手企業だけであるということを肝に銘じてください。
顧客は商品価値に対してお金を払います。
従って単価が高い商品を選択してもらう仕掛け(説明や提案、陳列、売場環境、接客技術)が無い場合、顧客は安い商品を選択します。(唯一の情報である価格を比較し選択してしまう)
集客に力を入れる事はとても重要です。
しかしコストを掛けて集客した顧客の満足を得られなければお金をドブに捨てている様なものです。
特に、中小零細企業は商品ありきです。
自社の商品やサービスに関し顧客の問題解決や欲求をキチンと満たしているか、もう一度チェックして下さい。